【賃金・残業代に関するご質問】

残業代には時効があると聞きました。いつの分まで遡って請求することができますか。時効を止める方法はありますか。

賃金・残業代の時効  労働基準法は、賃金の請求権は、時効により「2年」で消滅すると定めています(支払期日が2020年3月31日以前の賃金について。同年4月1日以降の賃金については、下記※参照。)。  残業代は、ここでいう「賃金」に含まれますので、請求権が発生してから2年が経過すると、時効で消滅してしまうことになります。  すなわち、過去の残業代を請求しようとしても、原則として、2年前までしか
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給料の未払いが続いているのですが、どうすればよいのでしょうか。

 労働の対価である賃金を労働者に対し支払わなければならないことは法律で定められています。  法律に違反して、賃金を支払わない場合、使用者は30万円以下の罰金(刑事罰)に処せられることになります。  では、使用者(勤務先会社)に対し、どのようにして未払賃金の支払いを請求していけばよいでしょうか。  ご自身で請求することももちろん可能ですが、賃金の支払いを滞納している勤務先会社が相手方になります
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勤務先による賃金の相殺は許されるのでしょうか。

Q. 勤務先から、今月分の給料は私が以前勤務先から借りた50万円の返済に充てるので、私に支払う分はないと言われました。このような扱いは許されるのでしょうか。 使用者による賃金の相殺は許されるのか  賃金の支払いは、労働者の生活の基盤である賃金を確実に受領させるという趣旨から、原則として、決められた期日に、約束された賃金の全額を支払わなければならないものとされています(全額払いの原則)。  こ
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生産調整のために1か月休んでくれ、その間の給与はないと言われましたが、仕方ないのでしょうか。

 使用者(会社)が生産調整を行うために、労働者を一定期間休業したり就労時間を短縮(部分休業)したりした場合には、原則として、休業期間中の「賃金全額」の支払いを請求することができると考えられます。  すなわち、「債権者(=使用者)の責めに帰すべき事由」によって労働者が労務の提供をすることができなかった場合には、民法536条2項により、労働者は賃金全額の支払いを受ける権利を失わないものとされてい
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賃金について今後、現金手渡しでもらいたいのですが、可能でしょうか。

 賃金の支払いについては、法律上「通貨払いの原則」が定められており、「通貨」すなわち現金で支払うことが原則となっています。  もっとも、①労働協約を締結した場合、②労働者の同意がある場合などには、労働者の指定する口座に振込する方法による賃金の支払いも適法とされています。  したがって、労働協約を締結した場合、このような労働協約が適用される労働者については、会社は口座振り込みによって賃金を支払え
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賞与が今年は支給されないという通告がありました。会社に賞与を請求することはできないのでしょうか。

 賞与(ボーナス)が、使用者(会社)から労働者に対して支給されるか否かは、会社と労働者の間でどのような取り決めになっているかによって決まります。  個別の労働契約や就業規則、労働協約などによって、支給時期、支給額の算定基準及び算定方法などが定まっている場合には、会社に対する賞与請求権が生じうるといえます。  もっとも、多くの場合は、賞与が不支給とされる場合(たとえば、会社の業績が思わしくない場
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賃金が最低賃金を上回っているかはどのように判断するのでしょうか。最低賃金を下回っている場合、残業代はどのように算定するのでしょうか。

 最低賃金とは、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の最低額のことをいいます。  各都道府県に1つずつ定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に従事する労働者を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」の2種類があり、両方が適用される場合は、高い方の最低賃金額が適用されます。金額は通常毎年改定され、厚生労働省などにより公表されています。  賃金が最低賃金を超えているかどうかを判断す
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業務委託契約だから残業代を支払う必要はないという説明を会社から受けました。残業代はやはりもらえないのでしょうか。

 労働時間や休日に関する規制など、労働者を保護する制度について定めた労働基準法や、その関連法の適用を受けるためには、労働基準法上の「労働者」に当たる必要があります。  「労働者」は、法律では、「事業……に使用される者で、賃金を支払われる者」と定義されています。  この「労働者」に当たるかどうかは、契約書のタイトルに「業務委託契約書」と書いてあるか、「労働契約書」と書いてあるか、といった形式的な
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完全歩合給制が採用されています。成果が出ない場合、全く給料が出ないという扱いは許されるのでしょうか。残業代はもらえないのでしょうか。

 労働契約において、完全歩合給制が採用されていたとしても、会社との間で雇用関係にある限り、会社は、労働時間を把握し、都道府県ごとに決まっている最低賃金以上の賃金を保障しなければなりません。  すなわち、「完全歩合給制で、今月は成果がゼロだったので、給料もゼロ」という扱いをすることは許されず、給料が最低賃金以下の場合、会社は、最低賃金との差額を、労働者に対して支払う義務を負うことになります。 
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課長に昇格後、管理職という理由で残業代の支払いがなくなりました。残業代を請求することはできないのでしょうか。

 ご相談のケースの場合、事情によっては、残業代を請求できる場合があります。  労働者が、労働基準法の定める「管理監督者」に該当する場合には、法律上、残業代を支払う必要はなくなります(労働時間、休憩時間、休日に関する規制が適用されないものとされています)。そのため、課長職などのいわゆる肩書きのついた管理職の従業員に対しては、残業代が支給されない扱いがなされていることが多くあります。  しかし、管
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会社から「外回りの営業職だから、残業代を支払う必要はない」と言われました。本当にそうなのでしょうか。

 「営業職には残業代を払わなくていい」というのは、間違っている場合が多いです。  労働基準法38条の2は、「事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす」と規定しています。 外勤の業務においては、実際に労働した時間を使用者が把握することが困難であるため、このような例外が認められているのです。  しかし、この「労働時間を算定し難いとき
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毎日長時間の残業していますが、基本給のほかに、特別手当として基本給の10%分が支給されているだけです。仕方がないのでしょうか。

 法律上、会社は労働者が残業をしたらその時間分の残業代(割増賃金)を支払わなければならないと定められています。  したがって、このような法の制度の趣旨に反するような残業代の支払い方は許されません。  残業代の支払いに代えて、一定額の手当を支払うことも、全く許されないわけではありませんが、過去の裁判例等を見ても、 ①定額手当が残業代としての性格を有しており、 ②残業代部分とそれ以外の
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私の会社にはタイムカードがありません。残業代請求は諦めるしかないのでしょうか。

 タイムカードがないからといって、諦める必要はありません。  確かにタイムカードは、労働者が実際に働いた時間を立証する有力な証拠となりますが、タイムカードがない場合であっても、他の証拠から労働時間を立証できる可能性があります。  たとえば、会社に提出する日報や出勤簿、労働者が作成したメモなどは、労働時間を正確に記載したものであるという信用性が認められれば、労働時間を立証する証拠となります。タコ
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会社に未払い給料を請求したところ、「会社は破産したので給料は支払えない」と言われました。諦めるしかないのでしょうか。

未払賃金立替制度  会社が実際に破産などの法的手続を取っている場合や、事業活動が停止し事実上の倒産状態にある場合には、未払賃金立替制度という制度を利用することができます。  この制度は、企業倒産により賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、未払賃金の一部を、政府が事業主に代わって立替払する制度です。 立替払いを受ける要件   立替払いを受けるには、以下の要件を満たしている必要がありま
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