会社から一方的に退職扱いとされた労働者が未払賃金等を請求し、解決金として100万円を回収した事例

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<事案の概要>

 相談者は、勤務中に交通事故を起こして受傷し、会社の指示により一時休業していました。

 約半月後、職場復帰についての連絡をしたところ、会社から、社内には相談者の居場所(仕事)はないので、他の会社に移籍してもらいたい、移籍を断るのであれば会社を辞めてもらうしかない、と言われました。

 相談者が移籍を断ると、退職合意書への署名を求められるなど退職を強要される状況となり、対応に困ったため、当事務所に相談に来られました。

<解決に至るまで>

 他社への移籍(転籍)は、労働者の同意がない限り許されません。

 また、移籍を拒否したことを理由として会社が退職を求めることもできません(一方的に退職扱いにしたとすれば、それは「解雇」となります)。

 そこで、当事務所は、相談者は退職には同意しないので労働契約は存続していること、職場復帰の意思表示をした日以降の賃金が支払われていないので、会社はその全額を支払うべきこと等を記載した文書を会社に送付し、交渉を開始しました。

 これに対して、会社側は、相談者は他社への移籍を断って退職に同意したのであり、賃金は発生しない、逆に会社は相談者に対して損害賠償請求権を有するなどと主張してきました。

 相談者は、会社の対応を見て、職場復帰には不安を感じたため、転職活動を始め、結局、数か月後に自主退職しました。そして、当初の退職には同意していないことを前提に、自主退職するまでの未払賃金や、退職を強要されたことによる慰謝料等の支払いを求める訴訟を提起しました。

 訴訟では、会社側代理人から、早期に和解したいという提案がなされました。相談者の会社に対する債務の存在や会社の資力等も考慮して、最終的に、解決金として100万円の支払いを受ける内容の和解が成立しました。

<解決のポイント>

 復職や退職をめぐってトラブルになるケースはとても多いです。

 そして、退職の同意の有無が争いになるようなケースでは、当事者同士のやり取りの経緯や当事者の言動が問題となりますので、証拠を確保することや、主張と矛盾する行動を取らないことが重要です。

 本件では、会社から退職を求められた当初からご相談をいただき、弁護士から上記の点を意識したアドバイスをしたことが、良い結果につながったと考えています。

 会社との間でトラブルになりそうな時は、是非お早めに当事務所までご相談ください。

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